平凡なことは軽んじられるけれど、平凡を大切にする気持ちが幸せへの第一歩だと思いました。

平凡なことを忘れた時に人が争うんですよね

遺産が1軒の家しかない父親が亡くなり、3人の息子がその相続を巡って争った問題を扱う調停で主人公・桑田判事が「生まれた家は大切ですよ」と息子達を諭した理由。

「生まれた家が大切だなんて、平凡なことを言ってしまったが、平凡な事を忘れた時に人が争うんですよね。」

「そばにいてくれるだけで幸せだ」と遠い昔に思ったはずの夫婦も、その平凡な幸せを思い出せないままに「あなたはどうして○○なの?」「おまえこそなんで●●なんだよ!」と喧嘩する。

初めて受け取ったアルバイトのお給料は数千円だって嬉しかったのに、今のお給料に文句を言ってしまう。

入院していたときにあれだけ嬉しかった当たり前の日常も、めんどくさい、やりたくないですごしてしまう。

感謝する、なんて大げさなことではなく、ただ、昔のことを思い出すことができたら、今を大切にできる。

今、目の前にいる人をいとおしく思える。

そんな気持ちを思い出させてくれた言葉です。

参照元:家栽の人」(毛利甚八・作 魚戸おさむ・画/小学館)第5巻CASE1「ピラカンサ」