「死ぬまでにどのくらいできるようになっているかな?」

松下幸之助の「素直な心になるために」(514円/PHP文庫)という本の終わりの方だったと思います。

「『こうしましょう』『ああしましょう』と書いている自分だが、自分自身もまだまだ出来ないことばかりだ。もしかしたら、100点満点を取ることは出来ないのかもしれない。だけれども死ぬまでに80点ぐらい取れればいいじゃないか。今が30点なのだから。」

という趣旨の文章がありました。

この本の中には、たくさんのすばらしいお話が書いてありますが、私が今も一番思い出すのはこの部分です。

「こういう風でありたい」と思うことはたくさんあります。でも服を着替えるように、自分をすぐに変えることはできません。

そんなときに「やっぱり性格なんて変わらないよ」と思う人がいて、他方で「そのうち変われるよ」と思う人もいます。

できることならば、私は「そのうち変われるよ」と思う人でありたい。

そのための支えになっているのが「今はいい。10年後の自分がすこしでも、そうなっていたらいい」という考え方。

「小さな変化だから今はわからないだけ。10年後にはわかるようになっている」という考えも同じことです。

とにかく長い目で考える。そうすると不思議と心に余裕が生まれます。

参照元:素直な心になるために」(松下幸之助/PHP研究所)