岡本太郎の言葉で2008年のほぼ日手帳に掲載されていたものを2009年9月11日にメモしていました。

2008年3月2日
「生きる歓びというのは、
生きる強烈なつらさと背中あわせなんだ。」
(岡本太郎さんの言葉。『TAROのひとこと』より)

楽しい、嬉しい、安心という感情は、つまらない、苦しい、不安などベースにあって初めて感じられるんだと思います。つまり、つまらなさや苦しさ不安感を感じていたときの心の状態と、そうではないときの心の状態の高低差が楽しさや嬉しさや安心なんだと。

苦しいことを経験しなければ無感動になる。よほどの快楽を得なければ「感情の高低差」が生まれず、けっきょく何も感じないで生きているような気持ちになるんじゃないかと思います。

すっごいがんばって、がまんして、歯を食いしばって、そしてご褒美を手にする。がまんした瞬間に感じた苦痛がひどければひどいほど、ご褒美は輝いて見える。すごいものに見える。それは心の高低差がすごく大きいから。

私自身は、ずっと不安がないように生きることを心がけていました。心の高低差を小さくするような生き方。

でも大人になって、けっきょく自分が何をしたいのかわからなくなったときに、心の高低差を小さくし平坦すぎる生き方に原因があるんじゃないかと考えるようになり、それじゃあ、と不安なことに挑戦する気力が生まれました。

そして実際に不安なことに挑戦してみると、その後に与えられた何気ないもの・出来事がすばらしく楽しく思え、自分の考えは間違っていなかったなと感じました。

苦痛との落差、それが楽しさの正体だと思います。だから、岡本太郎さんの言葉にはすごく励まされました。